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作家・黒川裕子のブログ

小林深雪先生『作家になりたい!6 恋のなやみは詩集で解決!』感想

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小林深雪先生から、講談社青い鳥文庫『作家になりたい!』シリーズ最新刊をご恵贈いただきました!!(幸せ…)

以前、「大人も知りたいすごい児童文庫教えます」https://jidobunko.wixsite.com/index

SNSでつながったみんなと児童文庫のブックガイドを作って配るぞ大作戦)

こちらでもご紹介させていただいた大好きなシリーズです。

 

作なりシリーズで私が好きなポイントをあげると:

1.雪人さん(かっこいい眼鏡アンドかっこいい眼鏡)

2.双子(掛け合いが最高。悪口雑言のプロ。牛愛好家)

3.真しろ先生に小説の書き方を教えてもらえる(初心に強制送還)

4.消え果てたはずの(黒川の)乙女心がうずく描写

 

この6巻では、とくに4がひどかったですね。

ぜひ、お読みになっていただきたいのですが、ヒロイン未央ちゃんの恋の相手である男の子・雪人さんが、イギリスのロンドンにある動物園に、「いつか、いっしょにいこう」 と未央ちゃんを誘う場面がありまして。

告白に失敗?した未央ちゃんは、わりとさらっとスルーしちゃうのですが…

ここめっちゃキュンときたね。

十代のマジメな男子にとって、もはやそれってプロポーズに等しいんじゃないのか。ボーイめっちゃ夢見とるやん……。一世一代やん……。

作家志望の未央ちゃん、スルーしてないで、ぜひ、そこんとこの機微を、受けとってほしい……!つきあってない子にこれ言うのは勇気いるぜえええぇぇ

(書き手としては、こういうニュアンスの匂わせが、めっちゃ上手いなと思う)

告白がうまくいきそうになるたびに邪魔が入るのはお約束。

未央ちゃんが作家になれるのか、無事に雪人さんと両思いになれるのか。7巻が非常に気になるところです。

6巻は、創作の中でも詩がたくさん紹介されていて、それもすごくよかったな~

 

ここからは思い出話とただの自慢です。

私が小学生~中学生のころ、小林深雪先生といったら、とにかくクラス中の女の子に大人気で、友だち同士でさかんに回し読みした記憶があります。

ウン十年後に、その小林先生から、まさかご著作を送っていただけることになるとは……( ´艸`)

(小林先生は、2019年現在、私が児童書デビューした講談社児童文学新人賞の選考委員も務めていらっしゃいます。)

『作なり』シリーズの未央ちゃんのように、私も子どものころから作家になりたいと夢を描いていた一人です。

そんな作家志望の少女が、紆余曲折をへて児童書を書くようになり、子どものころ親しんだ小林深雪先生が選考委員をつとめる賞で入選し、児童書作家デビュー。

授賞式で小林先生にはじめてお会いしたときは、カチコチになってろくなご挨拶もできませんでした。

受賞パーティ中に、トイレでたまたまお声をかけていただいたときは、胸がいっぱいになってちょっと涙ぐんでしまいました。トイレでだ……。

調子に乗ってそのあと色紙サインをお願いしたら、ご快諾いただいたばかりか、長年名コンビを組んでいらっしゃる漫画家・イラストレーターの牧村久美先生に色紙をわざわざ回してくださって、最高に可愛いイラストまで頂戴することができました。

めちゃくちゃ貴重。宝物です。見せてやらん。

私は、小林先生とお話させてもらうときは、気分がすっかり小学生に戻り、もう嬉しいやら恐縮するやらで、何やら訳がわからなくなるのであります。

浮き足だつあまり大体の問いかけに「はい!!」と答えてしまうので、明日までに百枚書いてこいよ黒川とか今すぐタコ焼き焼けよ黒川とか言われても、はい!!と即答してしまいそう。←先生はそんなこと言わない